院長コラム
2019年01月
小指のしびれについて
小指のしびれを生じる疾患として肘部管(ちゅうぶかん)症候群があります。症状は、小指と環指(小指側)にしびれを生じます。まひが進行するに伴い、手の筋肉が痩せてきたり、小指と環指の屈曲変形を起こし、物がつまみづらい、箸が使いづらい、握力が低下したなどの症状が出てきます。肘部管症候群は、肘の内側で尺骨(しゃっこつ)神経が慢性的に圧迫されたり引っ張られたりすることで発症します。原因としては、肘周辺の外傷後の変形に伴うもの、特発性(原因不明)、変形性関節症、尺骨神経脱臼、外傷に続発するもの、腫瘍(ガングリオン、神経線維腫、神経鞘腫(しょうしゅ)など)、関節リウマチ、滑車上肘筋による圧迫などがあります。男性に多く発生します。
進行性に経過することが多く、保存的治療では症状が改善せず、手術を要することが多い疾患です。すでにまひになった状態で病院を受診される方も多く、まひの状態が長い場合、尺骨神経は回復の遅い神経であるため、手術後も回復に時間がかかったり十分に回復しない場合もあります。
小指のしびれを生じ、症状が続く場合は、できるだけ早期に専門の医師の受診をお勧めします。