院長コラム

2020年5月

手指の変形性関節症について①

手指の変形性関節症で多いものとして、ヘバーデン結節や母指(親指)のCM関節症があります。

へバーデン結節は、指の第1関節に、母指のCM関節症は、親指の付け根にある関節に、腫れや痛みを生じます。いずれも次第に関節の軟骨が減り周囲の骨に変形が出てきますが、進行には個人差があります。40歳以降の女性に多く発症し、原因は、はっきりしていませんが女性ホルモンや長期の過度な手指の使用、外傷歴などが関係しているといわれています。手指の変形性関節症では、痛みを取る治療として消炎鎮痛薬の内服や外用薬の使用、テーピングや装具で患部の関節の固定を行うこともあります。また、物理療法や運動療法、ハンドセラピストによる関節保護指導も痛みの治療として効果があるといわれています。こうした治療をしばらく続けると、多くはやがて痛みは落ち着いてきます。これらの治療でも痛みが長期に治まらないときは、手術治療も考慮します。

手指の変形性関節症は、進行すると手指の関節の変形がひどくなりそれに伴い手指の動きが悪くなり、日常生活に支障を来す場合もあるため、手指関節の腫脹(しゅちょう)や痛みのある場合は、早期の受診をお勧めします。

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