院長コラム

2021年05月

手のしびれが続いたときは

手のしびれを生じる疾患として患者数が多いものに手根管症候群があります。この疾患は何らかの原因で手首にある手根管というトンネル内で正中神経が圧迫されることにより生じます。妊娠・出産期や更年期の女性に生じることが多い疾患です。骨折などのけが、仕事やスポーツなどでの手の使い過ぎ、透析をされている方にも生じることがあります。

症状としては、親指から薬指にかけてのしびれがあり、特に夜間や早朝に強いしびれを生じます。病状が悪化すると親指の付け根の筋肉が痩せてきて、ボタンを掛ける、つまむなどの指先の細かい動作ができなくなってきます。

初期の治療としては、消炎鎮痛薬やビタミンB12の内服、外用薬の使用、装具による手首の固定、手根管内へのステロイド薬の注射などがありますが、効果がなく症状が進むと手術が必要となります。手術で関節鏡を使用する方法は、1cm程度の切開で済み、所要時間も15~30分程度と短く、日帰りで行うことが可能です。

手根管症候群は治療が遅れるとしびれや手の運動障害が残ることもありますので、手のしびれが続いたときは、できるだけ早めに手の治療を行っている病院の受診をお勧めします。

院長コラム一覧へ戻る