院長コラム

2022年07月

手指の痛みや変形は年のせい?

患者さんより手指の痛みや変形のため病院を受診したときに「年のせい」「治らない」と言われましたという話をよくお聞きします。手指の痛みや変形を生じる病気として変形性関節症がよく知られていますが、痛みを生じる年齢はさまざまです。手指の関節の変形が最も起きていた年齢が60歳代であり、80歳以上では変形が起きていなかったという報告もあります。また、家族内での発生が多いことも報告されています。治療は、変形した関節を完全に元通りにする方法はありませんが、痛みを軽くして、手を使いやすくする方法はあります。薬物療法としては消炎鎮痛薬の内服や外用薬の使用、症状が長引く場合はデュロキセチンという体の痛みを抑える働きを強くする薬の使用、体質を改善する漢方薬の使用などがあります。最近、女性ホルモン様の作用を持つエクオールが変形性関節症の腫れや痛みに効果があることが報告されています。テーピングや装具で痛む関節の固定安静を行うことも効果があります。また、物理療法や作業療法士による運動療法や関節保護指導も痛みの治療として効果があるといわれています。

手指の痛みがある時は、我慢せずに手の治療を行っている病院を受診しましょう。

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