院長コラム

2023年7月

五十肩(肩関節周囲炎)について

肩関節周囲炎は40~50歳代に多く発生し、加齢に伴い肩関節周囲の筋肉や腱(けん)、関節包などの組織が退行変性することを基盤に発症すると考えられています。主な症状は、肩を上げる、ひねると痛いなどの運動時痛や就寝時の夜間痛といった疼痛(とうつう)と、肩が上がらない、背中に回らないなどの可動域制限が特徴です。発症からの過程は大きく三つの病期に分かれます。初めは、明らかな外傷や誘因なく肩関節に痛みが生じ、徐々に増悪しながら可動域制限が出現し(急性期)、その後痛みは軽減しますが、肩関節の可動域制限が残り(拘縮期)、徐々に関節の動きが改善していきます(寛解期)。症状は、発症してから半年から2年程度で改善することが多いですが、痛みや可動域制限が長期化することもあります。そのため、それぞれの病期に応じた適切な治療を行うことが大切です。

治療としては、薬物療法(外用薬や消炎鎮痛剤の内服、関節内注射)と並行し、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションを行い肩関節周囲の動きを改善していくことが効果的とされています。

肩の痛みや動きづらさを自覚する場合は、できるだけ早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

理学療法士 西森 裕祐

院長コラム一覧へ戻る